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導入事例

日報とロープレに、自社仕様のAIを。
新卒営業14名の経験学習サイクルを、育成の仕組みに

株式会社マクロミル 押見 様(左)・青木 様(右)

押見 真耶 様

アカウントセールス本部 カスタマーディベロップメント部 インサイドセールスユニット(新卒営業研修担当)

青木 康佑 様

アカウントセールス本部
副本部長

導入前と、導入後

導入前
  • メンターによって、フィードバックの回数・内容にばらつき
  • 日報は、全員分の返信に1〜2時間
  • ロープレは相手役が1回30分〜1時間。「もっとしたいのに、機会が得られない」という声
導入後
  • 2,438回AIによる日報フィードバック
  • 530件AIが一次フィードバックを返した日報
  • 102回AIロープレを自主的に実施

※2026年5〜6月の実績

この事例の要約

日報もロープレも、先輩の時間頼みだった

新卒の日報はメールでやり取りし、全員分に返信すると1〜2時間。ロープレは先輩が相手役を務めていたため、練習機会を増やしにくく、結果も運営側に残りませんでした。

AI日報とAIロープレを、自社の育成方針に合わせて設計

AI日報では、自社仕様のAIコーチ「ミルコーチ」を作成。AIロープレでは、実際の自社商材の初回商談を題材に3つのシナリオを用意しました。

AIフィードバック2,438回。AIロープレは自主的に102回

新卒14名の日報530件に対し、AIによるフィードバックは2,438回。AIロープレも自主的な取り組みで102回実施されました。

今回は、アカウントセールス本部 副本部長の青木様と、新卒営業研修を担当する押見様に、導入の背景から実際の運用、導入後に起きた変化まで伺いました。

AI活用は、2020年から続く育成DXの延長線上にあった

マクロミルでは2020年から、新卒育成を専任組織ではなく、セールス部の有志による短期プロジェクト型で運営してきました。新卒に身につけてほしいスキルをあらかじめ定義し、それに沿った動画コンテンツを整備。翌年以降も繰り返し活用できる育成の仕組みを構築していました。

この取り組みで、新卒育成はかなり効率化できました。そのうえで、これまで積み上げてきた育成DXをさらにブラッシュアップできないかと考えていました。より効率的に、かつ効果的に育成する方法を探す中で、候補に挙がったのがAIでした。

— 青木 様
インタビューに答える青木様
2020年からの育成DXを語る、アカウントセールス本部 副本部長の青木様

人の手だけでは、毎日のフィードバックを揃えられなかった

導入前は、日報への返信もロープレの相手役も、先輩社員が担っていました。運営メンバーは動画講義などの企画と並行して、新卒全員の日報に返信しており、それだけで1〜2時間かかることもありました。

ロープレも、相手役となる先輩の時間を確保しづらく、練習機会には限りがありました。さらに、実施結果が運営側に残らないため、誰がどこまでできているのかを把握しにくい状態でした。

新卒のメンターは通常の営業業務に加えて対応してもらっていたので、新卒の日報に毎日フィードバックをもらうことはできませんでした。人によって、フィードバックをもらえる回数や内容にムラが出てしまっていました。

— 押見 様

決め手は、同業界・大手を含む導入実績だった

導入にあたっては、複数社のサービスを比較検討しました。その中で重視したのが、自社と近い業界での活用実績や、大手企業を含む導入事例でした。

一方で、導入前には「AIコーチが自社の育成方針に沿ったフィードバックを返せるのか」という不安もありました。実際にプロンプトを調整しながら試す中で、意図に沿ったフィードバックが返るようになり、その懸念は解消されていきました。

AI日報|毎日の振り返りにAIフィードバック
2,438回AIによるフィードバック
530件AIが一次フィードバックを返した日報
導入前の課題
  • 日報はメールでやり取りしており、新卒全員分に返信すると1〜2時間。運営メンバーやメンターは通常業務と兼務していました。
  • 担当メンターによってフィードバックの回数や内容にばらつきがあり、育成品質を揃えにくい状況でした。

毎日の日報に、まずミルコーチが返す

新卒は毎週「今週の目標」を立て、毎日の日報で、その日の学びや目標への手応えを振り返りました。

投稿すると、まず自社仕様のAIコーチ「ミルコーチ」がフィードバックを返します。そのうえで、メンターが必要に応じて補足する運用にしました。

ミルコーチは運営メンバー自身で設計しました。実際に自分たちで日報を投稿し、返ってきた内容を確認しながら、育成方針に合うようプロンプトを調整していきました。

新卒の立ち上がり期間なので、少し厳しめに背中を押す人格にしました。誤字やビジネスマナーを指摘するだけではなく、何が良くなかったのか、次にどう動けるとよいのかを本人に考えてもらえるような設計にしました。

— 押見 様
取材で語る押見様と、話を聞く青木様
日報運用の実際を語る押見様。ミルコーチのプロンプトは運営メンバー自身で調整した

実際の日報で見る、ミルコーチのフィードバック

以下は、実際に新卒が投稿した日報と、それに対してミルコーチが返したフィードバックの一例です。日報は個人が特定される記述を除いて一部を要約し、ミルコーチの返信は実際の出力から一部を抜粋して掲載しています。

日報には、その日のロープレで気づいた「サービス理解の不足」などの課題が書かれていました。それに対してミルコーチは、単に評価を返すだけではなく、「次に何を準備するか」「何と比較するか」「いつまでに何をするか」まで具体化する問いを返しています。

新入社員

研修期間中のある日の振り返り

  • やる気 6
  • 達成度 5
  • 体調 5

【マイアクションのデイリー振り返り】

<打席に立ち続ける>

・ロープレや1on1において、積極的に質問し、先輩方からより深く具体的なフィードバックを引き出す。 達成度:△
理由:質問したい内容を事前に整理して臨んだことで、限られた時間内で網羅的に疑問点を解消できた。一方で、引き出したアドバイスに対して「自分の見解を述べる」といった双方向の深いディスカッションにまでは至らなかったため、次回の打席への課題としたい。

【各研修の振り返り:ロープレ】

・「サービス理解」の深化:
サービス単体の紹介や概要説明はある程度対応できるものの、「類似調査と比較した際の優位性」や「本案件においてどちらの手法がより適切か」といった一歩踏み込んだ質問への回答に曖昧さが残った。

【全体を通して】

  • Motto:直近で控えている提出物や発表資料の作成に対し、デッドラインから逆算したマイルストーンの設計が甘く、着手が後手に回ってしまっている。
  • NextAction:テストを通じて現在のスキル習得度を正確に把握し、最優先で復習すべき項目を絞り込む。

宛先: @ミルコーチ

投稿後、AIが自動で返信

ミルコーチ

▼提出物全体の品質(誤字脱字チェック)

  • 「ご教授」➡「ご教示」(誤用)。

▼更なる成長へのアドバイス

「打席に立ち続ける」が△の理由が明確です。次回、双方向のディスカッションにするために、あなたの「自分の見解」は具体的に何を用意しますか(仮説。根拠。代替案。懸念点のどれ)。

「サービス理解の深化」がNextActionではやや抽象のままです。明日までに「比較される相手(他手法・類似調査)」を1つ選ぶなら何で、比較軸を3つ挙げるとしたら何にしますか。

Mottoの「逆算が甘い」に対して、NextActionに「いつまでに何を」が不足しています。直近の提出物について、明日中に置く中間マイルストーンは何に設定しますか(成果物の状態で)。

今日の気づきは実務に直結しています。明日は「型」と「期限」を置いて、再現性のある打席にしていきましょう。

19:20

振り返りが、その日のうちに完結する

導入から8週間で、530件の日報に対して、ミルコーチによるフィードバックは2,438回にのぼりました。

従来は、メンターからの返信が翌日になったり、業務状況によっては十分に返せなかったりすることもありました。導入後は、投稿するとミルコーチからフィードバックが返るため、その日の経験を記憶が新しいうちに振り返り、次の行動まで考えられるようになりました。

また、基礎的な指摘や一次フィードバックをミルコーチが担うことで、メンターは補足が必要な箇所に集中できるようになりました。

経験したその日に振り返り、次の行動まで考えられる流れが生まれました。

不調のサインに、一歩先に手を打てた

コンディションに気になる変化があった場合、運営メンバーはグラフだけで判断せず、前日の日報やミルコーチの返信もあわせて確認しました。そのうえで、必要に応じてメンター経由で本人の様子を確かめ、早めにフォローできた場面が2〜3回ありました。

また、負荷の高い研修の前後でチーム全体のコンディションが下がった際には、その後の研修の難易度を調整するなど、運営面の判断にも活用しました。

日報が、振り返りの記録だけでなく、育成側が次の対応を考えるための材料にもなりました。

PCの画面を確認する押見様
日報とコンディションをあわせて確認し、必要に応じてメンターがフォロー

自分の仕事を、自分で見直すようになった

ミルコーチは、誤字脱字や言葉の誤用などを、件数も含めて具体的に指摘します。こうしたフィードバックを日々受ける中で、お客様にメールを送る前に一度見直すなど、自分で確認する意識も見られるようになりました。

また、タイムラインでは他の新卒の日報も確認できます。自分へのフィードバックだけでなく、他のメンバーの振り返り方や書き方も、自分の仕事を見直す材料になっていました。

AIだからこそ、提出前の緊張感が薄れることも

運用を続ける中では、AIだからこその課題も見えてきました。日報にはメンターも関わる一方、最初に返信する相手がAIになることで、提出前に文章を見直す緊張感が薄れる場面もあったといいます。一方で、メンターのいいねやコメントも新卒から確認できる運用にしていました。

人が読むと思えば「もう一度読み直してから送ろう」という意識が働きますが、AIだと、そこが少し緩むことがあります。AIを使いながら、日報に向き合う意識やモチベーションをどう維持するかは、次に運用する際に考えたいポイントです。

— 押見 様

AIに任せることで生まれる効率と、人が関わることで保たれる緊張感。その両方をどう設計するかが、次の運用課題として見えてきました。

AIロープレ|1ヶ月で102回の練習機会を追加
102回AIロープレを実施
(2026年6月・約1ヶ月間)
2,899回新卒とAIが交わした
発話の総数
約50時間分人が相手役なら掛かっていた工数
(当社試算)

※AIロープレ102回を1回30分として換算すると、相手役工数は約50時間(当社試算)。この練習量は、先輩社員が相手役を務める時間を追加で確保せずに生まれたものです。発話の内訳は新卒1,578回・AI1,321回。

導入前の課題
  • 先輩社員が通常業務と並行してロープレの相手役を務めていたため、練習時間を確保しづらく、機会を増やすことが難しい状況でした。
  • 新卒からは「もっとロープレしたいのに、機会が得られない」という声もありました。
  • 実施したロープレの結果は運営側に集約されず、誰がどこまでできているのかを把握しにくい状態でした。

先輩とのロープレはそのままに、AIで反復の機会を増やす

研修の締めくくりには毎年「ロープレ大会」があり、新卒はそこに向けて先輩との練習を重ねます。

先輩とのロープレでは、案件相談やクロージングなど、実践的なやり取りを中心に練習していました。一方で、商材の細かな仕様や競合との違いなど、お客様のご質問に回答するための知識を繰り返しアウトプットして確かめる機会を増やすには、先輩社員の時間にも限りがあります。

そこで、実際の商材の初回商談を題材に、運営メンバーが3つのAIロープレシナリオを用意。5月に学んだ商材知識を、6月にはAIロープレでアウトプットする設計にしました。

5月に商材の知識をインプットし、6月からはそのアウトプットの機会として集中的に取り組みました。先輩とのロープレは案件相談やクロージングの練習、AIロープレは細かい仕様や競合と比較したときの強みを、お客様のご質問に回答する形で伝えられるかの確認、と役割を分けていました。

— 押見 様
笑顔で話す押見様
先輩とAIの役割分担を語る押見様

必修でないのに、1ヶ月で102回

AIロープレは必修コンテンツではなく、取り組むかどうかは新卒本人に委ねられていました。それでも、約1ヶ月で実施回数は102回に達しました。

運営側は録画や実施結果を確認し、商材についてどこまで説明できるか、どこでつまずいているかを把握できるようになりました。従来は運営側に残りにくかったロープレの結果も、後から振り返れるようになりました。

印象的だったのは、新卒が自らの弱点を自覚し、補いに行くようになったことです。答えられなかった質問を自分で調べ、同じシナリオに何度も挑戦する新卒ほど、サービス知識の習熟度は高くなっていました。

— 押見 様

ロープレで試し、日報で振り返る

AIロープレとAI日報は、それぞれ独立した取り組みではありませんでした。ロープレで見つかった課題を日報に書き、ミルコーチからの問いを通じて次の行動を考える。実際の日報にも、AIロープレで得た気づきや課題が振り返りとして残っていました。

実践する振り返る課題を言語化する次に試す。

2つを組み合わせることで、経験学習の流れが研修の中につくられていました。

まとめ|AIと人で回す育成サイクル

AIに任せる部分と、人が担う部分が見えた

日報の一次フィードバックや、商材知識を反復するロープレはAIに任せる。一方で、個別のフォローや案件相談、クロージングのような、人だからこそ向き合いたい育成には時間を使う。実際の運用を通じて、AIと人の役割分担が具体的になっていきました。

どこまでをAIに任せて、どこからは人がコミットするのか。切り分けがうまくできたと感じています。

— 押見 様

カルチャーをつくる仕事の、最初の一歩に

今回の取り組みでは、新卒が研修の中で日常的にAIを使い、フィードバックを受けたり、ロープレを繰り返したりする環境が生まれました。

AIを特別なものとして学ぶのではなく、日々の育成の中で使う。そうした経験も、AI活用に慣れていく一つの入り口になります。

マクロミル社オフィスに掲示されたMission・Vision・Valuesのパネル
マクロミル社オフィスに掲げられたMission・Vision・Values

育成は会社のカルチャーをつくる大事なミッションです。リフレクトはAI活用の第一歩としてハードルが低く、非常にフィットしやすいと思いました。

— 青木 様
押見様と青木様のツーショット
取材にご協力いただいた押見様(左)と青木様(右)
ユーザー事例
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