AIが導く目標設定と振り返り
〜自律的成長を支える、未来型新人育成の実践事例〜

人事部 人材開発室 調査役
水野 聡識 様
導入背景・課題
- 協働学習の取り組み千葉興業銀行では、新入行員が入行後にチームを組み、互いに学び合いながら成長を目指す協働学習を導入しています。具体的には、業務習得目標や行動目標、日々の業務の中で気づいたこと等をチームメンバー同士で共有し、定期的な振り返りを通じて課題解決や相互フィードバックを行います。
この取り組みは、将来のチームベースのコンサルティング業務に必要な協働の姿勢を早期に身につけることを目的としており、入行後も周囲から学び続ける文化の醸成を目指しています。チーム単位での学習を通じて、お客さまのニーズや課題に対して組織的に対応できる人材の育成を図っています。この取り組みにAIを介入させることで新入行員の学習を促進できるのではないかと考えました。 - 若手社員の目標設定・振り返りにおける課題と支援体制の不足1.目標設定や振り返りに関して、支援を必要とする若手社員が一定数存在している。
2.これらの社員の特徴
・目標設定や振り返りの必要性は理解している。
・フレームワークを活用して実践している。
・しかし、自身の目標設定や振り返りにおける問題点を適切に把握できていない。
(例:内容が抽象的、目標に対する振り返りが適切に行われていない)
3.支援体制の限界
・これらの若手社員への伴走支援を強化するための他メンバーや人事部のリソースも限られているため、AIコーチによる支援により解決を模索した。
解決策
- AIが協働学習に介入して、新入行員に新たな気づきを与え、学びを深める・問いかけ:AIから新入行員に質問し、良質な目標設定・振り返りをさせる。
・承認:AIが新入行員の目標設定や、振り返りに対して承認・フィードバックし、気づかせる・指導する。
・分析:目標設定・振り返りやAI評価データから新入行員の目標設定・振り返りの質を分析する。 - 具体的な実施方法・AIコーチと対話し「本日の目標」を設定。終業後に1日の振り返りを記入し、AIコーチからアドバイスを提供。
得られた効果
- 目標設定・振り返りとAIからフィードバックを継続することで新卒の行動が具体化、改善された。現場からも声あり。
- AIコーチによる支援により、新卒へのフィードバック回数が昨年対比で約6.5倍に増加した。
導入の背景・協働学習へのAI介入の可能性

水野 様
千葉興業銀行では、新入行員が入行後にチームを組み、互いに学び合いながら成長を目指す協働学習を導入しています。具体的には、業務習得目標や行動目標、日々の業務の中で気づいたこと等をチームメンバー同士で共有し、定期的な振り返りを通じて課題解決や相互フィードバックを行います。
この取り組みは、将来のチームベースのコンサルティング業務に必要な協働の姿勢を早期に身につけることを目的としており、入行後も周囲から学び続ける文化の醸成を目指しています。チーム単位での学習を通じて、お客さまのニーズや課題に対して組織的に対応できる人材の育成を図っています。この取り組みにAIを介入させることで新入行員の学習を促進できるのではないかと考えました。
毎日の目標設定と振り返りをAIとともに

水野 様
初期研修中の新入行員は、毎日始業前にAIコーチと「本日の目標」を設定します。終業後には、記入した「振り返り」に対してAIコーチからフィードバックをもらいます。営業店に配属された後は日常のOJTにおいて上司・先輩からのフィードバックが加わることを勘案し、AIとの目標設定・振り返りは週次で実施しています。金曜日に「次週の目標」を設定してもらい、翌週の木曜日に「振り返り」を記入してもらうという流れです。
新入社員の目標設定

目標設定に対するフィードバック

新入社員の振り返り

振り返りに対するフィードバック

毎日の目標設定と振り返りをAIとともに

水野 様
この流れを習慣化することで、日々の目標や振り返りのアクションプランが具体的になり、実際の行動も変化しました。
導入後の記入内容が具体化


水野 様
また、昨年まではチームメンバーと人事部で振り返りに対する支援を行なっていましたが、全員に対して十分なフィードバックを行うことができていませんでした。しかし、リフレクトを導入し、AIコーチによって補完したことで、新入行員へのフィードバック回数を昨年対比で約6.5倍に増加させることができました。

その他の導入効果について教えてください。

水野 様
日次のパルスサーベイ(やる気・達成度・体調)機能により、支援を必要としているアラートが出ていた新入行員に適切なタイミングで介入、声かけを行うことができました。
また、学びに対する姿勢に変化が見られます。学びに貪欲で質問の回数が多く、入行時と比べて自発的に周りに働きかけることができるようになったと感じています。 現場からも、新入行員にも関わらず、商談の説明がとても上手な行員が多いとの声があり、日々の振り返りを通じた言語化能力の向上が、実践的なコミュニケーションスキルの習得に繋がっているのではないかと考えています。